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リハビリテーションについて、考えたことや思ったことを好き勝手に書いてます。

後輩の成長

後輩と患者さんの入浴をしました。
片麻痺と失語のある患者さんで、浴槽に入ってもらうのに一工夫必要だったんです。
病棟生活ではシャワーだけだったけど、「風呂。入りたい。」って失語であまり話さない患者さんが言葉で訴えて。
介護士さんと看護師さんにも一緒に見てもらって、入浴方法を伝えた。

実は入浴の練習をずっと僕がやっていて、でも勤務の関係で後輩OTが介護士さんと看護師さんに入浴の様子を見てもらいながら方法を伝えることになった。
だからまずは患者さんと後輩と3人で動作方法を確認し介助の練習。患者さんに怒られ汗をかきながら後輩は頑張った。
翌日、患者さんと後輩2人で練習。そして、翌日後輩が介護士さんと看護師さんに入浴の様子を見てもらった。
そしたら、看護師さんからまさかの「介助量多いねぇー。ちょっと看護師、介護士が入れるのは難しいかなぁー」って。
でも、後輩は翌日、違う看護師さんと介護士さんを相手にもう1度挑戦!多分、この後輩、今までだったらそこで諦めてたと思うけど。ここで再挑戦したことがめっちゃ嬉しくて、今回は僕も時間を調整して近くで見守った。後輩、めっちゃ汗かいてた(笑)
でも、そのお陰で看護師さんたち入浴させてくれることになって。患者さんも本当に喜んでた。


「後輩指導」「若手教育」とか最近の流行語。僕はリハビリテーションの職種に限らず、人が成長するにはたくさんの失敗を経験することと、失敗しながらも最後はその壁を越えていく成功体験が必要だと思う。一般的にもそう言われてると思う。
だから、先輩がしてあげることは後輩が失敗しないようにフォローするとか、正しい方向に導くとかそういうことじゃないと思う。失敗を認めてあげること、取り返しのつかない失敗にならないように支えること、最後には成功させることだと思う。
失敗が悪となると、失敗しないようにという考えで頭の中が一杯になって余計判断や動きが鈍る。そのうち、「失敗しないためには」ということが第一課題となって、本当に大事なことを考えられなくなる。
そして、最後に成功させることが意外と難しい。先輩が主導権を握っていたら意味がなくて、あくまでも主導権を握っているのは後輩。
例えば、患者さんの立ち上がり練習で、理学療法士が全介助で立たせるのではなく、あくまでも患者さんが立ち上がる。理学療法士は少し重心移動をお手伝いする。そんな感じが後輩指導でも必要だと思う。

今回は後輩のがんばりに元気を貰いました。
後輩に付き合ってくれて、後輩を少しだけ成長させてくれた患者さんにも感謝です。