follow your hart !

リハビリテーションについて、考えたことや思ったことを好き勝手に書いてます。

リハビリテーションでまず最初にすべきこと

担当している利用者さん。
少しずつ施設に慣れてきたのか、今までやらなかった活動にも取り組んでくれている。


リハビリ中に介護員さんが冗談を言ってくると笑いながら対応している。冗談を言い返して笑って対応している。


笑うことが増えて嬉しくて、良い変化だなと思っていた。と、同時に何か違和感も感じていた。自然な笑いと言うよりは、何かハイになっている感じ。


先日、事件が起きた。
家族に現状説明をすることになっていたのだが、コロナの影響で本人とは会えない。だから、動画を撮影して動きの現状を見てもらうことにした。
本人とソーシャルワーカーと僕の3人で歩いて動画を撮っていた。


スタッフルームまで歩き、スタッフルームのガラス越しに花を眺めて笑っていた。良い笑顔にもう一人リハビリスタッフが近づいてきて話をしながら笑っていた。


スタッフルームの中からもスタッフが笑顔で手を振っていた。本人も笑いながら対応して話していた。
やはり、少しハイのような違和感を感じる。


そんなことを思っていた途端に、何故だか急に怒りだした。凄く怒って走って離れていく。


自分の席に戻り同じ席の利用者さんたちと話し始めて落ち着きを取り戻していた。


いったい何が起きたのか?



理由はわからなかったが、今のところの結論というか考察は次の通り。


笑ったり冗談を言ったりして対応することに、本人は凄いエネルギーを使っていたのではないか。
凄くプレッシャーを感じながら一生懸命笑ったり冗談を言っていたのではないか。


今までは僕と二人で歩いて、途中、介護員さんが一人くらい冗談を言ってくるだけだから頑張れた。
ところが、怒りだしたときは僕以外にソーシャルワーカー、リハビリスタッフ、スタッフルームのスタッフたち、多くの人の視線を一身に集めて物凄いプレッシャーとストレスに耐えられなくなったのではないか。だから、怒ってその場から逃げ出した。


一生懸命頑張ってた気持ちに気づけなくて申し訳なかった。ずっと頑張っていたんだね。


こういうことは病院でもあると思う。
リハビリを拒否したりする患者さんがいると、ついつい「頑張らないとダメですよ」とか「頑張って早く家に帰りましょう」と言ってしまう療法士は多いと思う。


でも、リハビリを拒否しても、多少歩く距離が短くても患者さんは頑張っている。
これからどうなるのかという不安と闘っていたり、家族は大丈夫かと心配したり、大部屋で他の患者さんに気を使ったり、病院スタッフにも気を使う。常に心から休むことができない環境で生活している。


患者さんも利用者さんも僕らが思っている以上に頑張っている。
僕らがまず、すべきこと。それはその頑張りに気づいてあげること。その頑張りを認めてあげることなんだと思う。