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リハビリテーションについて、考えたことや思ったことを好き勝手に書いてます。

理学療法士、されど食事に介入

今日は利用者さんの食事に介入しました。


この利用者さんはニコニコしていることもあれば、突然怒りだして叩いたり引っ掻いたりするかたです。介護員さんたちが結構苦労しています。


食事は介護員さんが介助しています。食事を配膳されたとたん凄い勢いで取ろうとして、いつも食器は手の届かない所に置かれ、介護員さんに食べさせられる。でも何とか自分でも食器をとろうと体を前のめりにして手を伸ばし、姿勢は崩れるし届かなくて暴れるしで大変。


今回僕は食事に介入するのは2回目。理学療法士だが食事に介入するのは、この利用者さんは食事は自立するんじゃないかと思ったから。


先日、座位での運動を兼ねてテーブル拭きをしてもらった。そしたら、そのタオルを端と端を合わせて綺麗に畳んでくれた。
ひょっとして、手作業できるのでは?と思い塗り絵を渡してみた。すると、先日ブログに書いた通り集中してやってくれた。


線に合わせて色を塗り、色鉛筆の色も選んでいる。物を認識したり、選択したりする力はあるんだなぁと思った。


じゃあ、ご飯も自分でおかずを見て選択しながら食べられるのではないか?自分で選択して好きな順番に食べれば、イライラして怒らないのではないか?


先日一回目の食事介入は、食べ始めこそ悲惨だったが良い評価結果を得られた。
配膳して食器の蓋を開けようと食器を取った途端に、凄い勢いで取り返そうとして大暴れ。たくさん溢して、手で食べるし。


とりあえず、スプーンだけ持たせてあとは諦めて見守っていたら案の定、落ち着きを取り戻してきちんと食べ始めた。食べるものを自分で選び、食器も持って食べている。
今度はヨーグルトの蓋を開けるのに、容器を取ったけれど怒らない。


多分、この利用者さんは人に取られるっていう気持ちが強いのではないかと思う。塗り絵をしていた時も、隣の人に取られてしまい。次に塗り絵を渡したら、綺麗に畳んで色鉛筆と一緒にズボンのなかにしまっていた。だから、そういう不安を与えなければ食べ始めも落ち着いて食べるのではないか?


そこで今回二回目の介入は、食器の蓋を開けてから配膳してみる。
結果は大当たり。最初から最後まで落ち着いて食べた。最後には両手を合わせて「ごちそうさま。ありがとうございました。」と声をかけてくれた。


認知症の人の行動、BPSDは関わる人が誘発しているとも言われているようだが、まさに今回はその通りだった。


食事で改善が見られたから、トイレ動作や移乗動作の時など他の場面でも、スタッフの関わり方が変わっていくと良いと思う。