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リハビリテーションについて、考えたことや思ったことを好き勝手に書いてます。

認知症と共にある人の観察力

認知症になると何もわからなくなるというのは、一般の人だけでなく医療や介護に携わる人でも思っていることのように思う。


実際に自分も今まで、適当に誤魔化してその場を凌ぐことをしてきた。


今、認知症の人と毎日関わらせてもらい、認知症の人が良く人を観察して見ていることを実感する。適当にあしらったり、心のない対応をすれば必ず行動に表れてくる。また、何も言わなくても「この人はこういう対応をする人だ」と認識している。


ある利用者さんが退所する前日に僕にこんなことを言っていた。

「あなたみたいにゆっくり話してくれると安心して、次に何をすればいいかわかるの。ここのひとは皆、急に動かすから怖いの。だから、あなたのことをずっと頼りにしてたの。」


この方は脳卒中の既往もあり話したり動作がとてもゆっくり。でも、本人のペースに合わせれば見守りから軽介助で車椅子に乗れる。でも、介護員さんたには凄い勢いで全介助。


他の利用者さんはずっと人を観察していて「あの人はあーだ、この人はあーだ」と良く話をし、それがまた的を得ている。
先日は主任のことを見ながら「あのおなごは大したもんだ。親方なのにこんな仕事もして。」と言っていた。
この利用者さんは「この人が主任」という事実は知らない。しかし、主任のことを見ながら、「この人がここの親方だな」ということを見極めていた。


そういえば、移動者勉強会で「認知症の人は言葉で理解できない分、人の表情や行動などあらゆる感覚を使って情報を得ようとしている」って言われた。
まさにその通りだった。


ちなみに、当たり前のことだけどわかるからきちんと接する、わからないから適当に接して良いとかって問題ではない。


明日もがんばろう☀