理学療法の幅
お昼休みはいつも施設の食堂の座敷で食べています。テーブル席は看護師さんたちも居るけど、座敷はリハビリスタッフだけが集まる。
リハビリは通所担当と一般棟と認知症専門棟に別れて仕事をしているから、昼休みゆっくりと話をする良い機会になってる。
今日は通所担当の後輩が利用者さんのことでたくさん悩みを話していった。こういう時間って良いね。
利用者さんがいつもいつも悩みを話して、それに対する対応策としての自主練習を提示するけど、全然やってくれない。でも、悩みは言い続けるらしい。
病院と違って一回の介入時間は短いから、じっくり話を聞くとそれだけで終わってしまうから難しい。
でも、それもありだと思うんだよなぁ。限られた時間で対応策を考えて提示しようとすると、どうしても話をざっくり聞くだけになる。
その利用者さんって、僕も一緒にリハビリしたけど対策じゃなくて、しっかり話を聞いてもらって共感してもらうこと、自分の気持ちを受け止めてもらうことを求めてるんじゃないかなぁ。
就職してから大学の先生と飲んだときに、その先生良いこと言ってた。
患者さんや利用者さんと向き合うときに、常に「理学療法士として」という視点を持つことは大事です。これはプロの考え方です。一方でこういう考え方も大切です。
理学療法士という資格を持っているからこそ、20分なり40分なり患者さんや利用者さんと関わる機会を得た。
その20分40分をどう使おうが、それはあなたの自由です。そう考えると、もう少し理学療法の幅が広がるよね。
「理学療法士として」ではなく、「理学療法士の免許を背負った一人の人間として」患者さんや利用者さんと向き合えば良いんです。
それはもう立派な理学療法です。
先生、僕、理学療法やってるよ。